全国ブラックバス防除市民ネットワーク
 ため池生き物学習会および池干しによるブラックバス・ブルーギル駆除

【名  称】仙台市太白団地調整池 ブルーギル・ブラックバス駆除池干し
      及び水辺の生き物学習会
【開 催 日】2006年10月22日9時30分〜16:00
【場  所】宮城県仙台市太白区太白2−21
【主  催】阿武隈生物研究会、
      全国ブラックバス防除市民ネットワーク
【協  力】シナイモツゴ郷の会、(有中)水生生物保全研究会、東北大学大学生

【活動の目的】
 仙台市南部にある太白山を源流とし名取川に注ぐ名取川水系笊川は人間の生活と非常に密接に存在する河川です。この笊川は太白山・佐保山をはじめ、多くの生物・植物等に恵まれています。魚類だけを例に挙げても、平成13年から平成17年の調査により、約28種類が確認しています。それらの中には、現在、非常に生息域が限られている種や、絶滅が惧種され、宮城県レットデーターブックに記載されている種が含まれており、都市河川を流れる河川とし非常に希少な河川となっています。
 しかし、残念ながら笊川においても現在問題になっている特定外来種防止法の中で特定外来種生物の指定を受けている、オオクチバス・ブルーギルが確認されました。
中でもブルーギルにおいては、太白団地調整池が供給源のひとつになっていることが明らかになっています。
 笊川の自然環境・風土を未来に残す為にも、地域住民の皆様と一緒になり調整池の池干しを行い、オオクチバ・ブルーギルを完全に駆除を目的と合わせて流域住民への笊川の生き物学習会を行い流域の環境を理解し、今後に繋げられることができる地域住民を中心にした活動を目的に行いましたが多々の課題が残ってしまいましたが、ひとまず報告させていただきます。

【池干し作業と結果】

・参加者:流域町内会を含め約120人参加
・捕獲した魚種と個体数
  ブルーギル:109匹
  ブラックバス:大1匹
  フナ類:266匹
・フナ類は調整池プールに放流、バス・ギルは調整池管理地内に50cm穴をほり埋めしました。
・駆除したバスやギルの扱いについて
事前に捨て方の相談を仙台市環境廃棄物対策課に大量に駆除した(物)を一般はゴミ集積場に捨てられるのかを相談した結果、今回、バス・ギルの捕獲量が少量だったため、下水道施設内に埋める許可が下りました。
・池干しと捕獲の用いる用具
水中ポンプ4インチ使用・発電機、船舶:無動力船1隻(2)定置網、簗、タモ網、地曳網、さし網、胴長、水槽類、バックホウ(駆除後埋め戻す)

【笊川の水辺の生き物学習会】
笊川の生き物(魚介類)の種類と採集日時 
・10月19日:杉の下橋採集
オイカワ、タモロコ、アブラハヤ、ウグイ、ニゴイ、コイ、ギンブナ、キンブナ、ドジョウ、トウヨシノボリ、シマヨシノボリ、キンギョ(目視)、サケ(目視)、ヌカエビ、スジエビ、アメリカザリガニ、モクズガニ、マルタニシ、カワニナ、シジミ、トウキョウダルマガエル、ニホンアカガエル、ミシシッピーアカミミガメ、ハグロトンボ、コヤマトンボ、コオニヤンマ、コシボソヤンマ
・10月20日:大仏橋採集
アブラハヤ、ウグイ、ドジョウ、オオヨシノボリ、ホトケドジョウ、スナヤツメ(幼生1、成魚2)ヌカエビ、カワニナ、コヤマトンボ、コオニヤンマ、コシボソヤンマ、オニヤンマ、ヘビトンボ、オオコオイムシ、マツモムシ
・10月21日 沈砂地(調整池下マス)投網採集
キンブナ、ギンブナ、ブルーギル、ウグイ、コイ、アメリカザリガニ
10月22日:調整池地曳き
・キンブナ、ブルーギル、オオクチバス

【活動の成果と課題】
 子ども達と地曳網を予定した為、水位が40cmに保ったため、実施計画書にある1週間前より池の水抜き予定から前日に変更した。そのため、当日は16:00終了までに完全に水抜きが終わらず駆除が中途半端で終わった。今後の課題としてはイベントと駆除は分けて作業を行うことが望ましい。また、河川での採保許可を申請する場合、任意団体の申請が難しく、内水面漁業調整規則に関する規則も知る必要がある。おわりに、池干しの実行にあたり、太白蛍の里づくり推進協議会の皆様には多大なご協力をはじめ、地域のネットワークを繋いでいただいた事で、この会が立ち上がることができました。地域だからと言って快諾いただいた佐藤農園の皆様にはお昼の芋煮汁の材料の提供、当日の炊き出しのお手伝も頂きました。その他、全国ブラックバス防除市民ネットワーク・シナイモツゴ郷の会・水生生物研究会・東北大学の学生をはじめ、流域の町内会の皆様、有難うございました。この紙面をお借りいたしましお礼申し上げます。